染めない生活

50代で毛染めを止めました。

時間をかければ何にでもなれるのか

誰でもピアニストになれる

かれこれ20数年前に雑誌で読んだ話です。

作曲家の三枝成彰氏が、「プロのピアニストになろうと思えば誰でもなれる」ということを言っていました。

1日8時間の練習を10年間続ければ、誰でもなれるというのです。

ピアニストは持って生まれた才能がモノを言う職業の一つだと思っていたので、これを読んだときは驚きました。

もしかすれば自分にも可能性が?なんて、ピアニストに憧れたこともないくせに考えたものです。

落ち着いて考えれば、1日8時間のピアノの練習なんて普通の人にはできません。

その時点で早くも「可能性なし」であることがはっきりしているのですが、それでも「誰でもなれる」という言葉は耳に心地よいものでした。

ただしこの話は続きがあって、「プロになって売れるかどうかは、また別の話」という結論がつくのです。

お金を払ってCDを買ったりコンサートに足を運ぼうとする人がいなければ、その仕事で食べていくことはできません。

努力すればプロレベルに到達することはできるけれど、売れるにはプラスアルファが必要だということでしょう。

1万時間の法則

ここで思い出すのが「1万時間の法則」です。

さまざまな分野の成功者たちは、その分野に精通するまでに1万時間、同じことを繰り返していた、と言っているのはマルコム・グラッドウェルという人です。

心理学者の研究をもとに実例を集め、「天才!成功する人々の法則」(勝間和代訳 講談社)を書いた人です。

1万時間というのは、1日3時間として約10年間、4時間なら約7年間です。

三枝氏の言う「1日8時間を10年間」だと29200時間となって、3倍近くになります。

ピアニストにはより多くの時間が必要なのかもしれません。

1万時間と3万時間のどちらが正しいのかは成功者でない私には判断のしようがありませんが、成功するのに膨大な時間とエネルギーを必要とすることだけは確かです。

時間以外に必要なもの

 かける時間の点では両者に違いがありますが、必要なのは時間だけではないという点では両者は共通しています。

グラッドウェル氏自身、ベストセラーを生み出し続ける売れっ子ですが、自分の著作が読者の関心にぴったり合ったというのは、自分の努力だけではどうにもならないことで運がよかったのだ、ということをインタビューで語っています。

三枝氏が言う「売れるかどうかは別の話」というのは、努力をした上で、持って生まれた感性や個性、運などが問われるということかもしれません。

 

気の遠くなるような時間をかけてようやくプロになれたと思ったら、売れるかどうかの問題に直面するなんて。

ピアニスト(に限りませんが)は大変です。

だからこそ、成功者になる秘訣をみんな知りたがるのでしょう。