染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

アンリ・ルソーの不思議な魅力


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最初に見たときは「変な絵」、でも妙に記憶に残ってしまう。

何度も見ているうちに気になって仕方なくなり、もしかしたら好きなんじゃないかと思いはじめる。

私にとってのアンリ・ルソーの絵はそういう存在です。

 

本当に変わった絵なんですよね。

子どもが描いたような、およそプロの画家とも思えないような絵。

彼が生きていた頃、批評家たちに嘲笑されたといいます。

その彼の絵をいち早く認めたのがピカソだとか。

天才にはわかっていたということでしょうか。

 
ルソーの絵がテーマの小説

 

知られざるルソーの絵が存在していた、という小説が「楽園のカンヴァス」(原田マハ 新潮文庫)です。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンと、研究者の早坂織絵は、ルソーの「夢」に似た絵の真贋判定を頼まれます。

ヒントになるのは、誰が書いたともわからない一冊の古い本。

ピカソの作品も関係してくる、この絵のタイトルは「夢をみた」。

ルソーの専門家が主人公とあって、ルソーの魅力を熱く語るところが嬉しいです。

 

私がルソーの絵の実物を見たのは、もう二十年以上前のこと、神戸でオルセー美術館展に行った時の一度だけです。

「M夫人の肖像」は、黒い服を着た女性の立ち姿を描いた大きな作品で、かなりの迫力がありました。

近くに立っていた人が「何これ」と呟いていたのを覚えています。やっぱり一見しただけでは、すぐその魅力に気が付きにくい絵なのかもしれません。

 

ルソーは熱帯のジャングルを主題にした作品を描いていますが、そうした絵を描いているとき、絵の中の花の匂いがあまりに強すぎるように思われて、窓を開けずにはいられなかった、という逸話が残っているそうです。

絵を描いているうちに、自分のいる現実と絵の世界が一緒になってしまう感じがあったのでしょうか。

一枚一枚の葉を克明に描いた鬱蒼とした木々を背景に、裸の女性がソファに横たわる「夢」や、マンドリンを傍らに眠っている女の匂いを嗅いでいるライオン「眠れるジプシー女」などは、見ているうちに夢の中に引きずり込まれそうな不思議な感覚を覚えます。

 
実物が見たい 

 

こんなことを書いているうちに、生きているあいだにルソーの絵の実物を見たいという気になってきました。

「眠れるジプシー女」と「夢」はニューヨーク近代美術館、「蛇使いの女」はオルセー美術館、「フットボールをする人々」はグッゲンハイム美術館、「陽気な道化たち」フィラデルフィア美術館などなど。

有名な絵は海外の大きな美術館が所蔵していますが、日本の美術館も持っているようです。