染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

「みをつくし料理帖」② 包丁の手入れ


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NHKで土曜日に放映されているドラマ「みをつくし料理帖」。

江戸で料理人として働く、澪という女性の物語です。

原作は高田郁、ハルキ文庫で全10巻出版されています。

ドラマをきっかけに、また小説を読み返しています。

 

味を左右するもの

 

ドラマでは、かつて天満一兆庵の料理人で、若旦那の佐兵衛と一緒に江戸に出た富三が、しばらくつる家で働く場面があります。

ところが富三の作った料理を「気持ちが悪い味」だと言って残す客が現れます。

澪にはその理由が分からなかったのですが、吉原で働く料理人の又次は一口食べるなり、「これは手入れの悪い包丁で作られたものだ」と見抜きます。

富三の包丁は刃に曇りがあり、柄との継ぎ目に汚れが付いたままになっていたのです。

料理人の命とも言える包丁の手入れを十分にしていない富三は、佐兵衛がしてもいない嘘をご寮さんの耳に吹き込み、珊瑚のかんざしを騙し取るような人間でした。

 

澪の場合は

 

小説の澪は、毎日の終わりに包丁の手入れをします。

菜切り、出刃、刺身の三本の包丁に感謝の気持ちを込めて砥石で丁寧に研ぎます。

 

しゃっしゃっという音を聞いていると、どんなに波立つ心も穏やかになる。

 

そして、何が起ころうとも、料理に向かうときは胸に陽だまりを抱いていようと思うのです。

澪は才能に恵まれた、天性の料理人ですが、幼い頃に両親を亡くしたことを始め、困難の多い道を歩んでいきます。

悩みごとが次々に現れ、どうすればいいかわからなくなったときも、心を込めて料理を作るという原点に返ります。

1人の女性の成長物語でもあり、職業小説でもあります。

 

私には包丁の手入れに左右されるような微妙な味の違いは判りませんが、澪の道具を大切にする姿勢を真似て、毎日庖丁を研いでいたことがあります。

それまでは恥ずかしながら、切れ味が悪くなってきたと感じてから研いでいたのです。

実際にやってみると、包丁の切れ味がいいとそれだけで気分がいいし、やる気も起きます。

野菜の切り方も丁寧になったりするのが不思議でした。

毎日庖丁を研ぐことは、情けないことに習慣になる前にやめてしまったのですが、また始めようと思います。

 

金柑の蜜煮

 

ドラマでは、怪我をしたあさひ太夫のために澪が作るのは青梅の蜜煮でしたが、小説では金柑でした。

第2巻「花散らしの雨」の巻末に作り方が載っています。小説の中に出てくる料理は、だいたいは巻末に作り方が載っているので、料理好きな人には読むのと作るのと、二重の楽しみがありますね。

 

 

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