染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

「ナリワイを作る」を読んだ


スポンサーリンク

「ナリワイを作る」(伊藤洋志 ちくま文庫)を読みました。

「人生を盗まれない働き方」という副題がついています。

会社に就職して一つの仕事を続けていく、という常識とされている働き方に異を唱える本です。

やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事を「ナリワイ」と呼ぶそうです。

年1回30万円の仕事や、月3万から5万の仕事などを同時に複数のナリワイを持って生活を組立てよう、といっています。

 

作者の場合

 

作者はこれまでに「モンゴル武者修行ツアー」や、木造校舎での結婚式などを企画してきたそうです。

梅の収穫時だけ手伝いに行ったり、中古住宅に安く住むための床張りワークショップを企画したり、その活動は「会社に勤めずに自由に生きる」というモデルとして見聞きする人達とはずいぶん違っているようです。

 

日本の現状

 

そもそも日本では、もっとたくさんの働き方があったそうです。

大正9年国勢調査で申告された職業は約3万5000種。それが最近では2167種。

こんなにあった業種を絞り込み、効率を重視して成し遂げたのが高度経済成長だったのですね。

しかし今や、働き過ぎやストレスで健康を害したり、そこまでして働いても豊かさを実感できないなどの問題も起きています。

「これからの仕事は、働くことと生活の充実が一致し、心身ともに健康になる仕事でなければならない。

そのためにナリワイを勧めているのです。

 

ナリワイの種の見つけ方

 

月に3~5万の仕事と言っても、すぐに始められるわけではありません。

まずはその種の見つけ方。

・未来を見る

・日常生活の違和感を見つける

作者がよくやる鍛連方法は、「無駄なもの」「こういうものがあったらいい」というアイデアを書きまくることだそうです。

作者が2003年に予想した「ふんどしが流行る」は本当に当たり、2008年にワコールが女性用ふんどしを開発したのだとか。

 

ナリワイ的発想とは 

 

その他の例として、作者は映画「マトリックス」をあげています。

この映画で、主演のキアヌ・リーブスは黒のロングコートを着ていましたが、その恰好よさは半端ではありませんでした。

そこで「自分も黒のロング・コートを着よう」と思うのではなく、あくまで日本人的体型の自分ならどうすればいいのかを考えることがナリワイ的発想であると作者は言います。

大学生だった作者の場合は「もはや着物を着るしかない」という結論に達し、着物のフリマをしたり、新型の着物を開発してギャラリーで展示販売するサークルを作ったりしたそうです。

 

どこの会社に勤めて年収はいくら、という基準だけでなく、「どれだけ自分の生活に必要なものを自分で賄えるか」「それを人生の中で増やしていけるか」というのも人生の基準になりうる、という言葉は、新しい価値観を教えてもらったようで、少し風とおしがよくなる気がします。